音楽の旨み

私の好きなヴァイオリニスト、ジャック・ティボー。あのロン・ティボー国際音楽コンクールの創始者の1人としても有名ですね。

音楽の旨みとは?と考えた時に、すぐに思いつくヴァイオリニストである。
ピアニストのコルトーと共演しているフランクのヴァイオリンソナタの音源は、その存在を教えてもらった途端に気に入り、宝物だ。
それを紹介してくれた時の師匠「3楽章の最後の音程の取り方が素晴らしい」
本当にそうだ。すこーしだけ低めの音程なのが、そこの暗い世界観に見事に溶け込んでいる。

何だろう?噛めば噛む程美味しいお煎餅のような、この充実感のある音楽。そして間の取り方も独特なんだけど、美味しいものと美味しいものを食べる間のような幸福感。

これも、生きている間に沢山味わいたい演奏である。シャンソンのような甘い気だるさがいいなぁと思いながら聴いていると、ティボーとコルトーの表現のスイッチが切り替えられ、爆発的に熱い音楽になったりもする。要するに、表現の引き出しが多い。年月を経て旨みがギュッと濃縮されたような演奏は、聴くたびに私に何かを与えてくれる。

とても古い録音だが、聴けば聴く程、引き込まれる演奏だ。

リリー音楽教室

飯田橋(駅から徒歩3分)、船橋(駅から徒歩5分)、錦糸町(駅から徒歩2分)で開催しているバイオリン・ビオラ教室です。体験レッスンもありますので、お気軽にお問い合わせください。

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